いつもの技術的な話だけではなく、ちょっと色々なことについて考えてみます。
友人が東京でPHPエンジニアとして、働いている。
たまにこちらに帰ってくるので、毎度話をしたり聞いたりしている。色々と事情を聞けて楽しい。あまりにも私とは業界が違うので、話していて世の中の動向もわかるので、うんうんと聞いている。そんな中で、感じたことだったり、考えてみたりしたことだったり、ソフトを作る話だけではなく、その周りについても。
他業種の話も聞いてみる
とあるSIerのA社にて、有限期間で作業をしていた。
形態は、 A社(SIer) ⇔ クライアント(コンサル)⇒最終顧客、という形の中で業務をしていた様子。 A社(SIer)とクライアントは最近になって連携しはじめた。
A社(SIer) の営業マンがクライアントと話をして、仕様を毎度増やして来て帰ってくる。どうも、この営業マンはコンサルから転職してきたようで、前職の乗りでやっているようだ。システム開発の仕様・工数を分かっていないし、多分その営業の上司もあまりわかっていないのだろう。仕様をFIXせずに、工数ばかりかかるので、現場も困った。
自分に置き換えて聞いてみているのだが、自分の勤めている韓国の関連会社が、顧客側(製造大手)の話をうんうん聞いてきて、装置のメカの仕様は上げれないから、 ソフトの仕様を不具合と称して上げてくるうちの装置みたいだなと思いながら聞いていた。
また A社(SIer) の営業マンはよく聞くと、A社の親会社B社の関連会社(C社)の営業マンだったようだ。
A社(SIer)⇒C社営業⇒クライアント(コンサル)⇒最終顧客
の図式になっている。A社・C社の関係、コンサルとC社営業との関係がこじれていっている様子が目に浮かぶようだ。
結果、A社上役・C社上役が出てきてコンサルとの話し合いで、まぁ仕様はFIXしたとのこと。ちゃんちゃん。
で、よくある話で終わるのかと思ったが、そうではない。
技術レベルとお商売の関係
友人としては、A社のSIerとしてのお商売の仕方が、少し気に食わなかったようだ。
技術的な細かい話は省くが、要はソフトを作る技術にも高・低があって、
①実際のシステムのテストでバグを見つけて修正するようなパターン
②作り込みの段階で不具合を省いていく(なるべく)ようなパターン
があるようだ。(私自身も少しはソフトウェアに関わっていたので、なんとなくはわかる。Web系ではないのだが。)
SIerは伝統的に①のような手法を採用するらしい。
Web系は②のような手法を採用するらしい。
ネットではよく見る典型的なパターンかと思う。
ちなみに、製造業の装置開発では、
私の友達は、②で仕事してきて、①の仕事に関わった。そして、②の手法を①の現場に半分リーダー的な存在でいれようとしたらしい。コンセンサスもある程度とっていたが、どうも途中から雰囲気が変わったようだ。(仕様の話は、上でしたが、FIXしないのでまとまらない。と初めから警告していたらしい。)
ある時から、①のパターンにやり替えないとこまると。A社上役から言われたらしい。
というのも、
①はリーダーが仕様をかなり細分化して、ある程度のレベルを要求しなくてもできる程度にまでして、 並列化して作業するという手法の様だ。(その会社の人曰く。と友人が語っていた。)
工場で流れ作業をする レベル まで下げるイメージ。よく言われるのが、工場のラインで刺身のつまを置くような作業。
②はプログラミングする側の要求されるレベルも高く、判断を伴いながら、チームとして動くイメージ。(ということ、らしい。友人曰く。)
ということで、A社上役曰くは、レベルの高いことはA社の作業員にさせないでほしいと。レベルの高い技術を導入すると後々メンテナンスもできない。
ということで、友人はやり方を合わせるしかなかったとのこと。
世の中のある程度進んでいる会社はこうなっていくし、こっちに合わせないと。。
という、友人の意図がまぁ、なし崩しになった形であるので、気に食わなかったようだ。
その話を聞いたときは、そういうお商売だし、ちょっと仕方ないよね。レベルが高すぎたんだよ。と言っていたが、その後、いろいろまだ話してみて何となく本質が見えた気がした。
儲け方など
ここからはその友人とも話して、以下のような推測をしたが、多分そうだろうと思う。
このA社の上役は人を育てる気はない。レベルの低いままで続ける気だろう。(そのように言っている。)
人を雇うにも、広告費用がかかる。300万ぐらいはかかると聞いたことがある。
別の業態からプログラマーへの転身をはかるようなWeb広告とか、未経験からプログラミングに興味ありませんか?みたいなのも一部ここら辺と関係しているはずだ。 キラキラ Webプログラマーみたいなやつかな。
余談としては、謳い文句だけで釣り上げて、SESみたいな形で派遣させるようなお商売もあると思う。 それで自分で学んでレベルアップしていけば、良い形にはなるパターンもあるとおもう。(理想的には)
でも、雇われる側も学ばしてもらえるとかの受け身の依存関係ではどこかでサチるし、頭打ちになるだろう。A社の上役はそこを狙っているような感じもしなくない。
業務でレベルが上げられるのが、雇われる側としては、ほんとうに良いのだが雇う側としてはそうではない。
レベルがあがったら転職するだろう。人を雇うにも広告費用がかかる。(上に戻る。)
といった、ループの中で現在のやり方がA社にとっては最適化されている形になっているような気がする。
細かいレベルの作業まで下げて、レベルを必要としない人間に任せて並列化する。工数を稼ぐ。儲ける。という商売なのだと思った。 (似たような人材ループがいっぱいあるのだろう。あと、メンテナンスとして、常駐するような形の商売もあるのかもしれない。)
あぁ、これが世の中でいわれている人月商売なのかと実感として学んだ瞬間だった。友よ間接的に経験をありがとう。
感想
雇う側、雇われる側、双方の思惑。お商売として成り立つか、だれが責任を持つか。
レベルアップを望むか、現状のレベルで満足か。今の仕事で満足か。
人それぞれなので、なんとも言えないが、やる気とかそういったものとも関係が深いと思った。
間接的に聞いたことで、雇う側の考え方も推測できた。最終的には、私の雇われる側としての、矜持みたいなところまで、じっくり考えるいい機会にもなった。
その他
別のブログで書いてましたが、訪問人数がないのでこちらに転載します。転載が完了したので、元のブログ記事は削除しました。