ロボットによる自動化について(ロボットシステム運用の負の側面から学ぶこと)

お仕事まわり
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今回も少しいつもと違ってロボットの関係のお話です。RPAとか, Power Automateの話じゃなくてごめんなさい。物理・産業用ロボットの方です。

お商売ですので、良いことばかりではありません。そんなところから学んでいけたらと思います。

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関わったロボットとシステム

現在の仕事では、業務で3種のロボット絡みの仕事に関わった。

  1. 自動車関係の部品を掴み、自社の装置内に取り込みそのままハンドリングして、検査を行うもの。(ファナック安川三菱)
  2. 半導体のウエハーをハンドリングして、自社の装置に置きにいくロボットのシステム。
  3. ロボットそのものではないが、先程のウエハーが入った箱を運ぶロボットとの通信をするソフトに関する仕事。(いわゆるOHT /これは仕様書には入っていなかったが、納入後ゴリ押しで入れられた。)

他の業者はどうやって儲けているのか考えてみたいが、その前に自分の経験の反省・振り返りから。

負の側面(主に人的)

上に挙げた3種のロボットシステムなんですが、うまく動作している時は良いのです。文句も言わずに重い自動車部品をハンドリングしてくれたり、扱いが厄介な半道体のウエハー(Warfer)を着実に出し入れしてくれたり、人間と違って、文句も言わずやってくれますから。

どちらかというと、うまく動作しなくなった時が実は厄介で。

数が出ている装置で、お客さんにもロボットを操作できて、システムのことを分かる人がいると良かったり、メンテナンスのためのサービスエンジニアが常駐していれば良かったりします。これらができていたら、うまく動作しなくなったロボットをちゃんと、フォローできますから。また、実際にはメーカ側(システムの)もちゃんと導入時に説明しますが、だいたいお客さんは覚えてない。。自分はお客様だ!っておもってる。どこの国でも。

先ほど言ったようなサービスエンジニアが常駐しているような、そんな契約になることは大手同士の会社契約はありません。逆に大手はそれで儲けを出すようになっているか、もしくは、消耗品で儲けを出すようになっていると考えています。そうでないなら、相当泣いているはず。ピエン。。

工場のおっちゃんや、パートの高校生(海外事案)、外人さんにそんなことを求めてはいけないのです。

そして、しわ寄せはどこに来るか、火を見るよりあきらかで、システムのメーカーか、そのメーカーのサービスエンジニアにくる。中小だと、そのどちらかが、常駐に近い貼り付けの刑になり、「またあの人同じホテルにいる。」状態になる。それを見ている自分も同じなのですが。。

特注だと、サービスエンジニアが行ってもなんの役にも立たない場合があります。

一刻も早く復旧せよと。いや、ある程度のメンテナンスやロボット作業を出来る人にしてもらわないと困ると言っていても、そんなことはお客様はお聞きわけ頂けるわけもなく。。

よっぽど、ソフトの作りが良くて、原因究明が簡単にできるのか、経験値がソフトの中にも活きているようなソフトだと、復旧だけは勝手にやってもらえたりするのですがほぼそんなことはありません。大抵が短納期・甘い見積もり・買い叩かれた金額・ノーリピート品、あとは依頼したソフト屋さんがとちっていたりと、うまく行かないものなのです。なので、数をはけないと元は取れません。確実に。でも、特注はそうはならないと肝に銘じておかないといけません。

うまくいっていたのは、1.のパターンぐらいで、ロボットをペンダントで操れる人がいないといけないと何かの縛りがお客さんのところにあった模様で、必ず一名客先にそのような方がおられました。(半道体はあまりそうではなかった。)

お商売として

進んだものを入れるのもいいのだけれど、うまく行かない場合も考えておかないと、お商売としては成り立たなくなります。また成功例ばかり追って、失敗例も研究して、対処出来るようにしておかなければ、何も進歩はないし。提案しても対処しない方針なら、退却すべきだと考えています。

と、私が仕事していた会社(仮にA社とします)の過去の様子ばかりを書いてみたのですが、それだけではなく、私の関わった半道体ロボットシステムのメーカーのある1社(B社)についても書いておきたいと思います。

結論から書くと、B社はその事業から撤退されたのですが、まぁ、彼らの普段の様子を観察したいたところ、それもやむを得ずといったところかと思います。

そのシステムの採用は自分がA社に入社する前の弊社初号機に始まります。

当時はたぶん、そのB社も関連親会社のシステムの一部としてロボットシステムを納入していたし、時は日本半導体の全盛期最終局面ぐらい。というのも自分が入社したのはその10年後ぐらいで、少し古いそのシステムを含む装置を海外の半道体工場で何台も見たからです。

当時はB社も、開発部隊がそばにいて、特注などもしやすかったと想像できますが、半道体の全盛期が過ぎ、その後は体制が変わって、開発部隊が親会社に吸い上げられたかもしれない。私が仕事の関係で突っ込んだ技術的なことを聞いたり、すこし技術的に高い質問をしたりすると、B社の技術部門だったか親会社から技術者に足を運んでもらったりしていた。

やはり儲からないので、特注はあまり取るななどという指示が出ていたのかもしれない。5年〜10年ぐらい関わったが、まともに開発部隊を見たのは上記の1回ぐらいかも。技術部隊がそばにいないので、改善されて行く傾向はほとんどなかった。。

それがお商売としては正解なのかもしれないが、買う方・面倒見る方としてはあまり。。開発部隊がいないので、聞ける人がおらず結構不具合解析は滞っていたと思われる。B社と接してまともな人材だなぁと思ったのは、この開発部隊と品証さんの約1、2名ぐらいかな。たぶん、ここらへんは私が所蔵したA社と同じ状況かと推察している。全盛期のB社のロボットシステムや、その時代の雰囲気に接していないので、

では、なぜこのB社のシステムを導入したのか??と疑問に思ったことが多々ある。

この B社のシステムの採用に関しては値段とかブランドでの決定があったと思われる。当時はそんなにメーカーもなかったろうし、仕方ない面もあるとは思うが、ただ、半導体には詳しいという驕りなんかもあったと考えている。その人の本質を見誤ってはいけない。半導体そのもの・半導体プロセスのドメインには詳しいが、半導体装置含むようなビジネスには。。(人材的は大変優秀な方と思うのだが、ビジネスには向いてなかったかなぁ。)

ただし、現在、このシステムB社に採用された中のロボットの会社(別の会社)だけは地道に成長を続けていることを記しておく。

さてさて、A社がB社のロボットシステム購入し作成したシステムは、初号機から2号機までは5、6年間空いた。そして、この間にロボットシステムの型式が新しくなっていた。でもこの間、 ロボットシステムの自体の改善はほぼなされないままだった。

A社のシステムとして、B社のロボットシステムを採用した初号機と、その後のロボットシステムを採用した2号機の両方のおもりをした経験からいえるのだが、ロボットシステムの基板系は変わったが、システムとしてはエラーコードの桁が増えたのと、取説が充実したぐらいかも。あまり、メンテナンスしやすさとか、儲けにつながるような改善はされてなかった。。たぶん、売って終わりのビジネスだからかも?(消耗品で儲けられないようなシステム。また今から思うと、付加価値がつきにくいアッセンブリシステムだなぁと思った)

A社側の2号機までが、空いた理由としては、まぁ、A社の人的要因が大きいかと思う。あの面子では無理だったと思う。(当時の伝え聞く仕事の様子であったり、その後直接接する様子から察した個人的な感想です。)また、このシステム、営業の仕入れだったのも、今となっては驚くばかり。つまりロボットシステムを営業サイドが面倒を見るということになっていたのだ。後年、技術部門が面倒を見ることになるのだが、その話はまた別で。

そして、満を持して、3号機の製作で初心者の3年目ぐらいの私投入。引き継ぎゼロ。(ソースコードなくしたとかみたいなあからさまに、嫌がらせみたいなのもあったなぁ。) 初めはシステムの全貌なんぞ、わからないぐらいブラックボックスだったし、ロボットシステムの後段に弊社システムがついて、トータルで結果を出さないといけない。その間、営業都合で納期は短くなる、お客が立ち会いすると仕様打ち合わせしたメンバーから聞いていない仕様が出てくる、そもそも仕様を決めていない(リピートとか言ってた)、そして仕様追加の嵐。納入後も仕様追加の嵐。さすがに途中から仕様書は出したが客のところまで提出されていたかは不明。海外代理店サイド、出してないと思う。。完成度は高まるどころではありません。。ちゃんと権限を持ってコントロールする人間がいないとこのようになります。まともな所ではなかったなぁ。。

そして、開発の間にトラブルも起こる。特注という理由で品証は面倒見ないし(標準でも見ないが)、サービスエンジニアも面倒見ない、客も見れないし、代理店も見ない、客も面倒見るきもないし、スルーしてこちらに来る。技術に来ても、最後に面倒な事を任されるのは、私。

営業、その間に反省を活かさず、リピートという言葉を信じて、リピートと称して取ってくる。負のスパライルは続く。 果たして、売上の額としては大きいシステムなので営業はとってくるし、部門の長も困ったときだのみとばかりにヨッシャってなる。。欲に目がくらんだり、すると本質が見えなくなるし怖いものだ。結局、開発とかではなくなるので。

とまぁ、だいぶB社のロボットシステムの話からA社の話にそれた。

客の側(A社)もちょっと情報共有なり、メンテのことを考えたりちゃんとしようよと思う。

あと、半道体業界全体なんだけど、客意識が強すぎて、不具合起きたりしたらメーカ側のせいにしすぎだし、それを即座に解決せよなんて。。そら、装置メーカ側のお商売も傾く。。

他のシステムとの連携

私が所属していたA社の話に戻ります。

さらにだいぶ後のA社システムでは、客先ホストとの通信とかも追加される。仕様打ち合わせをしたがグダグダ。ホスト通信も客の気分次第なので、仕様なんてあって無いようなもの。
負のスパライルのなかで、さらに据え付け後に明らかになる最大級の追加仕様。天井から下ろしてくるロボットとの通信である。

これがまた揉める。。半道体業界の規格だけなら結構きっちり決まっていて簡単なのだが、エラー処理の受け入れ検査みたいなのがあって、これを素人営業が勝手に取ってくるので、内容も分からない。資料も工場から出せない。出張もそれだけのために行かせられないといわれるなど。。だいぶ、困った。

その間にもメカのトラブルも起こるし、その時間は取られたりするしで、こちらの開発に割く体力は削られる。

また一方で、ホスト通信のエラー処理、ロボットシステムのエラー処理、天井ロボットとのエラー処理、だんだんと要素が増えて行くごとに、正しい状態を考えて、正しく処理するのが大変になってくる。揉め事も増える、客もまだ追加仕様を言ってくる。要求も高くなってくる。

ロボットだけならティーチングを勉強すればそこそこの人でも操作可能だが、ロボットシステムとなると、各社の癖みたいなものがあるので、一筋縄ではいかない。ましてや、上位通信や、他のロボットとの絡みがあったとしたら、尚の事。

不具合の問い合わせも時間がかかる場合が多い。例えば、問い合わせを行ったとしても、細かな話が伝わらず、ログを送ってくれの一点張りだったり、送ったとしても、ろくな回答が来なかったり。

あと、メンテナンス費用をケチる企業も多い、長年使い続けるとヘタるもので、電池、Oリング、グリスなど本当に効果しない企業が多いのに驚く。トラブルが起こって最後に蓋を開けたら、メンテナンスしていないというのが多い。特別料金もらえないかと思うほどだ。こちらも毎度、メンテナンスの項目と費用を算出して提出しているだけに困る。あれは、半道体業界の慣行なんだろうか??それとも私が行っていたところが特殊だったんだろうか??

最後は、弊社のグダグダ感だけが出てしまったが、まぁそんなもんかもしれない。

そういえば

友達にロボットメーカーの社員(営業)がいたなぁ。。ロボットメーカーの儲けってどこからでるのか聞いてみよう。でも数を売って何とかする商売なのかもしれない。

なんか面白い書籍とか情報があればまた探してみようと思います。今回はいったんここまで。

お商売が傾く要因は?

お商売が傾く要因は

  • 業界の慣行
  • 設計開発とシステム保守運用人員の切り分け(切り分け過ぎて疎遠になってもいけないし、ごっちゃになってもいけない。)
  • システム運用側の人があまり育たないこと(サービスエンジニア)
  • 消耗品や素材などで儲ける仕組みがないこと
  • 売上だけを考えた営業(会社としての利益を考えない)
  • 営業と客の言うリピートはリピートではない(仕様書で抑えても)
  • 格が上過ぎる客との付き合い(同程度でないと脅しまがいに負ける。代理店・営業・管理職)

といったところでしょうか。。実地でいい勉強になりました。十数年を要しましたが。。よく考えて採用しましょう。自分の首がしまることになりますよ。

その他

別のブログで書いてましたが、訪問人数がないのでこちらに転載します。転載が完了したので、元のブログ記事は削除しました。

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